2004年1月26日(月)15:55

フィッシャー外相は欧州議会選挙前のEU憲法合意を求める

ブリュッセル(AP)

ドイツは6月の欧州議会選挙前にもEU憲法の合意を目指す意向である。ヨシュカ・フィッシャー外相は月曜日ブリュッセルで、2004年にEUの直面する大きな課題を考えれば、これはきわめて重要である。3月のEU首脳会議の時点で「局面打開に向けた道」が開かれることを期待する、と語った。EUは「もはや二度目の失敗ができない」状況にある、と同外相はEU外相会議で述べた。これは、憲法合意の得られなかった昨年12月の首脳会議以来、初めてのEU外相会議となる。

これに対し、ポーランドはみずからの立場を強く主張した。ヴロジミエシュ・チモシェヴィチ外相は、ポーランドはこれまでと同様、閣僚理事会の加盟国票配分に二重多数決制を導入することを拒否する、と述べた。EUはニース条約を維持し、この条約で「実際的な経験を積む」べきである。ポーランド政府の留保は変わらない。「私たちは依然、ニース条約の決定方法が良いと考えている」、と同外相は言明した。

私の意見では、ポーランドに首脳会議決裂の責任を負わせるのはフェアでない。「ポーランドは政治的に高い代償を払わねばならなかったのだ」、とチモシェヴィッチ外相は述べた。ポーランドとスペインは12月の首脳会議で、EU将来像会議の欧州憲法草案に盛り込まれた二重多数決制の承認を拒んだ。両国政府は人口比以上に両国を優遇したニース条約に固執している。

しかしドイツは加盟国の人口規模に一層の配慮をした二重多数決制の導入を強く求めている。フィッシャー外相は現在の交渉状況については発言を控えた。「書類はしっかりと胸にあてて、中身を見せない方が賢明」だ。だが二重多数決制の決定的な点で動きが出れば、合意はきわめて早く達成できるだろう、と外相は語った。

併せてフィッシャー外相は二つの速度のヨーロッパについても警鐘を鳴らした。数ヶ国のグループによる先行統合は、対外的に「強く、行動能力のある」25ヶ国の連合体を築く方策ではない。それは「憲法という強靭な尖端」があってこそはじめて可能になるのだ、と外相は主張した。12月に憲法協議が決裂した後、EU内でいくつかの加盟国が結集し中核ヨーロッパを構成することもあるとの牽制が頻繁に行われるようになった。

昼食の席で各国外相は今後の進め方について協議を行った。しかしEU議長国アイルランドは一般的な意見交換しか予定していない。アイルランド政府は12月の首脳会議で、3月半ばに開かれる次回首脳会議の席で今後の憲法交渉の進め方についての報告書を提出するよう委託を受けている。

外相会合に先立ち、スペインのアナ・パラシオ外相は歩み寄りの用意があることを表明した。「私たちは合意を望む」。「私たちは常に歩み寄りの準備をしてきた」、と同外相は発言した。 しかしいつ憲法交渉が再開されるかは今のところ不透明である。6月末までの任期中に議長国アイルランドに局面の打開がはかれるか、外交筋はすでに懐疑的な見方を示している。

原題:Fischer mahnt Einigung zu EU-Verfassung vor Europawahl an




トップへ戻る